約 3,046,220 件
https://w.atwiki.jp/bsr_e/pages/72.html
うすぐらい闇の中でも、謙信が顔色を変えたのが判った。 それは不犯の聖将と言われる謙信の反応ならば、別段おかしいとも思わないが、かすがは夜に慣れた目で、謙信の青ざめた表情を見る。 いつになく余裕の無い表情で、謙信が緩慢ではあるが小さく首を振った。 「かすが、そなたの願いなら、できるならば聞いてやりたいと思っています。けれど」 小さな声。 「それは、かすがが汚らわしいからなのですか? 」 謙信が違う、と首を振る。かすがに遮られいてた謙信の手が、かすがの手首を掴み返した。 「そなたに、そなたに黙っていたことは悪く思いますが、わたくしは…」 緩慢に動くその手に無意識に力がこもる。視線を逸らして目を伏せていた謙信が次の言葉を話そうと意を決して口を開いた。 「存じております」 それをまた、かすがが遮った。 「何を」 「謙信様が女人であることは、かすがは存じております」 謙信は口をぽかんと開けたまま呆然とかすがを見ている。 かすがの片方の手が、ゆっくり謙信の黒い髪を掻き分ける。できるだけそっと、壊れ物を扱うように謙信の額に口付けた。いつもは謙信がそうしてくれるような、優しい、甘い額への口付け。それでも、謙信が身震いしたのが判った。 「なぜ」 謙信の手が、髪を弄ぶかすがの手に伸びてくる。何故、と呟いた声は、小さく低く、唇がわずかに動いたようにしか感じられなかった。 かすがは、もう一度額に口付ける。 「謙信様、かすがにはわかります」 香のくどい程の香りとは違う、謙信の甘やかな香りがした。 かすが×謙信(女)3
https://w.atwiki.jp/bsr_e/pages/84.html
己のこれを不幸と呼ぶのならば、それは己が一人きりで居れない事が全ての始まりだろう。謙信は顔を打掛に押し付けた。きつく目を閉ざすほんの前に、己の黒い髪の向こうに薄っすらと、かすがが顔を上げる様が見えた。すぐに瞳は閉ざされ、謙信は雫が打掛に音も無く染込むのを感じる。これは卑怯だと、謙信は思った。こんなときに泣くのは、女々しいと思うより先にただ卑怯だと思った。 御傍を離れます。それだけでかすがは謙信を黙らせた。驚きよりも理由よりも早く謙信を襲ったのは、喪失の恐ろしさ。 「謙信様、何故」 躊躇う様に、細い声でかすがが問いかけてくる。何故、何故、随分今日は多く聞いた言葉、謙信は答えない。何故、と尋ねるのも、怖かった。理由を聞いてしまえば、もう取り返しは付かなくなる気がして謙信は黙る。 謙信はかすがが去るのがひたすら恐ろしかった。あの潤んだ熱っぽい瞳で、ただ己を求めた時ですら触れる指が、声が、髪の毛の一筋までもが優しい、良く笑う、良く泣く、女の子。彼女が居なくなるのが怖い。このたなごころからかすがが去るのが怖い。 けれどその喪失の恐怖を知られることを、謙信はより恐れた。 それはいつも深く根付いた恐ろしさだった。一人きりではおれぬ、幼子の様な心は、露が葉ごと凍り付かせる様に謙信を弱くする。そこがただ置いていかれたように止まり、何時までも弱いまま。 いつか、いつかこれに気付いて、謙信のうちに有るのがただ神聖のみではなく、人としても未熟な心が沢山の矛盾を抱え込んでいることを知って、かすがが幻滅していくのが怖かった。気付いて、去ってしまうのが怖い。強く有りたい。 ―ただあの子を黙って愛おしむには、私はあまりに弱い。 きつく瞳を閉ざしても、止まらない雫がかすがを責め立てているようで、謙信は歯を噛み締めた。 刹那、かすがが僅かに動いた。永い沈黙の後、それは他愛も無いただの身じろぎだったが、謙信は渇く様にかすがの、その細い手首を掴んだ。 ぱちぱちと瞳を瞬かせ、合わせて雫が零れ落ちる。現れたかすがは、先刻の様にそこにいた。困ったように、色の薄い目で、やはり変らず謙信を見ていた。 「ごめん、な、さい…」 かすがを掴んだ己の手は、指先を白く染めて握り締める。 でも。そう呟いた声が情けない程小さかった。 「いかないで」 かすが×謙信(女)13
https://w.atwiki.jp/anime_wiki/pages/15242.html
1998年4月放送開始。Amazonインスタントビデオが配信開始。 http //www.mxtv.co.jp/basara/ 監督 高本宣弘 原作 田村由美 シリーズ構成 小山高生 シナリオ協力 ぶらざあのっぽ アニメーションキャラクターデザイン・総作画監督 清水恵蔵 サブキャラクターデザイン 門之園恵美、つなきあき 美術監督 小林七郎 色彩設計 高石峯子 撮影監督 白井久男 編集 船見康恵、小林容子 音響監督 高橋剛 音響効果 倉橋静男 調整 蝦名恭範 録音助手 松田まゆみ 音楽 安西史孝、大森俊之 アニメーション制作 ケイエスエス 脚本 小山高生 細井能道 久保田雅史 絵コンテ 高本宣弘 さかいあきお 下司泰弘 岩崎良明 玉野陽美 鹿島典夫 菊池一仁 佐藤雄三 沙々野紀世利 演出 高本宣弘 中野頼道 下司泰弘 岩崎良明 さかいあきお 玉野陽美 沙々野紀世利 小野勝巳 高瀬節夫 作画監督 清水恵蔵 鈴木大司 岡千家子 松岡秀明 つなきあき 田野光男 中田雅夫 松下純子 前澤弘美 Amazonインスタントビデオ LEGEND OF BASARA Ep. 1 "第1話 運命の少年" 監督 高本宣弘 再生時間 0時間24分 初公開日/初回放送日 1998年1月1日 提供 バンダイチャンネル ■関連タイトル LEGEND OF BASARA D-1 Kindle版原作コミック 田村由美/BASARA 1 LEGEND OF BASARA ― オリジナル・サウンドトラック 原作コミック 田村由美/BASARA 1
https://w.atwiki.jp/bsr_e/pages/1905.html
<後日> この日の出来事が多少は効いたのか、政宗は文句を言いながらも 稽古事をさぼらなくなった。 一度、従兄弟の成実やその部下達が遠乗りに行こうと 誘いに来た時「これから生け花があるから」と断っている 政宗の姿を偶然見掛けた時は、さすがの小十郎も思わず男泣きに 泣きかけたという。 しかし、これで戦場でも少しは自重してくれるだろうという 思惑の方は、残念ながら外れたようだった。 その日も政宗は斬り込み隊長よろしく先陣を切り、 小十郎や家臣達を振り切って敵将の首を討ち取っていた。 「Ha!今日も楽な戦だったぜ…おい小十郎。 勝鬨を上げろ。」 「政宗様…!何という無茶をされるのですか!!」 「…おい小十郎。説教は後にしろよ。」 「いいえ!今日と言う今日は言わせていただきます。 体にお嫁に行けなくなるような大怪我をなされたら、 一体如何いたします!!」 「Ah?そん時はお前が嫁に貰ってくれるんだろ?」 「…なっ!そ、それは最終手段にございます。 政宗様はまだお若い。これからいくらでも出会いが有るのですから 近場で手を打とうとなさってはなりませぬ!」 「…なんだよ、俺が誰の為に必死で稽古してると思ってるんだ?」 「将来のご主人の為にございましょう。」 「それお前だろ?…それともあの夜のProposalは嘘だったのか…?」 「う、嘘などでは」 「嘘じゃねえんだな?!よしッ!!てめえら!聞いたな?!」 大将の呼び掛けに威勢よく「YEAHHHHH!!!!」と大声援を 送る伊達軍兵士と、実に嬉しそうな政宗。 その両方に、小十郎は頭を押さえるしかないのであった。 (まぁ、幸いまだ政宗様はお若いし、時間はある。その内 気も変わるだろう…。) などと考える小十郎だったが、 奥州に棲む雌雄の双竜が、名実ともにつがいになるのは そんなに遠い未来の話でもないでのあった。 (おわり)
https://w.atwiki.jp/basara-voice/pages/29.html
伊達政宗 奥州筆頭 伊達政宗 推して参る 伊達政宗:登場ムービー 悪いね、アンタの首、もらいに来た! 伊達政宗:登場ムービー 上等だよ、あんだ上等だ! 伊達政宗:摺上原 Are you ready guys!? 伊達政宗:伊達軍OP 第六天魔王…? devil…? NO! 単なるおっさんさ 伊達政宗:ムービー「独眼竜対魔王」 もろいものよ 伊達政宗:汎用 次生まれる時は… 鳥になりてぇな… 伊達政宗:死亡時
https://w.atwiki.jp/bsr_e/pages/83.html
主の顔は見なかった。 かすがは平伏したまま、痛いほどの沈黙に耐え続ける。その間、いろいろなことを考えた。怒ってしまわれるだろうと思った。 かすがは、激昂した謙信に斬り殺されても当然だと思っていた。それだけのことをするのだと思っていた。 けれどそれすら己の傲慢だと知った。かすがは己の責任の結末を、謙信につけて欲しいと思っていたと。それは罰を受け入れるように見えて違う、先刻のすべらかな謙信の肌に唇を這わせるよりも、よほどかすがにとってはおそろしい快感かも判らない。 消えよう、とかすがは思った。己の死体さえ謙信の目に触れないように。生きていようとも逃げようとも、思わなかった。ただ、謙信のあおい目に映る価値さえ、己にはないと思われて、消えようと思った。 「……」 いつまで経っても、謙信は何も言わなかった。何の反応も感じられなかった。どんな顔をなさっているのだろう。氷のようなあの表情の無い、けれどとても恐ろしい顔をしているのかもしれない。怒る謙信は蒼い炎のように恐ろしかった。 「……、……ぃ」 その時、謙信が何か言った。短い間、けれど痛いほどに長い沈黙を破ったのは、か細く儚くちいさな声。かすがには、良く聞こえなかった。 そのすぐあとに、しゃくりあげる音が聞こえて、かすがは思わず顔を上げた。 かすが×謙信(女)12
https://w.atwiki.jp/bsr_e/pages/2423.html
アク禁中なので携帯から失礼します。 保守代りにネタを投下。 お暇な方・寛容な方は暇つぶしにどうぞ。 読みたくない方はスルーして下さい。宜しくお願いします。 ゲームの画面表示とほぼ同じ書き方にしてあります。 無線会話だけだと分かり辛いので一部ト書きを付け足してあります。 台詞すっ飛ばした箇所有り。申し訳無い。 【配役】 サイファー→幸村 pixy→筆頭 PJ→佐助(SS) イーグルアイ(AWACS)→お館様(TAKEDA) SS《俺、人呼んで猿飛佐助》 SS《縮めてSS》 SS《趣味はオカン》 SS《あの割烹着着る奴》 SS《まぁいいか、サァ行くか!》 SS《もうじき乱世も終る》 SS《実は俺、上杉軍に恋人が居るんすよ》 SS《戻ったらプロポーズしようと》 SS《花束も買ってあったりして》 TAKEDA《警告!アンノウン急速接近中!》 TAKEDA《ブレイク!ブレイク!》 SS《うわああああっ!?》(撃墜される) 筆頭《戦う理由は見つかったか?Buddy.》 筆頭《HA!どうした?撃てよcoward!》 筆頭《C mooooooooon!!!!》 【オマケ】 (;ムテ皿キ)《くそ!無敵なのにやられた!》 (ムテ皿キ)《謙信様!あとは頼みましたよ!》 Σ(モДブ)《ああ!一人雪組がやられた!》
https://w.atwiki.jp/basara-voice/pages/47.html
徳川家康 屈服はせん!ワシが時代を作る! 徳川家康:汎用(シリーズを通して使われている台詞。) 本多忠勝 申し訳… 本多忠勝:死亡時 (死亡時の機械音に混じって、こう聞こえる音声が混じっているらしい)
https://w.atwiki.jp/basara-voice/pages/46.html
前田利家 暑いなー まつも脱げ! 某とお揃いだ! 犬千代様!はしたのうございますよ! 前田利家・まつ:最南端 まつ…見ろ、あれは農民だ… いいえ… 戦う意志ある者は、立派な武士です 前田利家・まつ:最北端 お前も武士か…目を見れば分かる 前田利家:いつきへ 今は泣かん…参るぞおおおお! 前田利家:まつを先に倒す(2でも使用) まつ あれは…家康…? かつての友との戦… これが今の世の習い… 前田利家・まつ:三方ヶ原 米を作り、国を支える者が武器をとるとは… まつ…泣くな、悲しむな まつ・前田利家:最北端
https://w.atwiki.jp/bsr_e/pages/80.html
手の中の謙信が悲鳴をあげた。かすがはそう感じた。酒を飲んでもほんの少しだけ頬が染まる程度、けれど今は鴇羽色か中紅の、酔うたように熱く火照る。頬が、唇が、瞼が、白く白く透けてしまいそうな肌が。香のせいで緩慢ではあったけれどそれでも動いていた手、何時もかすがの頭にやさしく触れる手が、力尽きたようにぱたりと床に落ちていた。今はひどい熱に浮かされたように、あえかな声が漏れるばかり、それもひどく痛々しいと、かすがは思った。 普段は法衣が滑るこの身体、俗世の快楽とは無縁のすがすがしいからだ、人としての感覚に戸惑うように、手の中でゆらめく。 抵抗無く入り込んだ指がわずかな拍子になかで滑る。謙信の背が震えた。 「ぅあ…」 僅かに指をひとつ増やしただけで息を詰める。ひどくゆっくりとかすがの指は動くけれど、それでも謙信が気を失うのではないかと思った。瞳をさらにかたく閉ざして、ああ、初心なからだ、何も知らない、この世の穢れなぞきっと知らない、穢れない汚せない遠くとおく白いからだ。 「ふぁ、ん…」 儚く喘ぎを漏らす唇に、かすがは性急に口付けた。間も居れずに舌も差し入れて、息が出来なくなるほどに。 ああ、わたしは、わたしはこの人のようにやさしくはできない。いつもいつも、わたしの髪を撫でてくれる、わたしをその蒼い目で見てくれるあの優しげな、たった一度その白い指先が触れるだけで優しさで心が溢れた。わたしにはできない。たったひとつの言葉だけでわたしを優しく満たすのに、たった一言、かすが、とわたしに与えてくれた名前を呟くだけで。 香を使ってこの方を酔わせたのは、わたし。この弱く汚いわたしであるはずなのに。かすがは自分を動かすつよい衝動に、酔わされているのは自分ではないかと刹那思った。 余裕無く乱暴な口付けを離せば謙信はひどく苦しそうに息を吐いた。瞳が涙でぼろぼろに、ああ。 「ああ、謙信様…」 その涙にかすがは唇を寄せて吸い付いた。苦しげな息遣いが間近に聞こえて、ちくりちくり、胸を刺した。 それにはきっと気付いていない謙信の手が、かすがの背に伸ばされたのをかすがは感じた。これは身体を支配する快感に感じるひどい不安のせい、わかっていても嬉しかった。きゅうとかすがの衣を握り締める謙信の手の感覚が、もうこれで別れになると己に言い聞かせてさえも衝動を抑えきれなかったかすがを。 かすがは口付け、差し入れたままの指を強くつよく動かした。 「……っ、…ぁ! 」 あおい瞳を見開いた気配と共に、ちいさく高い声を上げて、それきり謙信は果てて崩れ落ちた。 衣を握り締めていた指がずるりと落ちて、かすがはその指に名残惜しそうに唇を寄せた。 背中に僅かに残る、この謙信の手の、指の感覚が。ひどく。 「謙信様…」 ひどく。ひどくひどく。 白い指に一筋だけ涙がおちた。 その指がひどく、かすがをなぐさめた気がした。 かすが×謙信(女)9